【樺沢紫苑】ベストセラー作家が教える出版のインプット&アウトプット大全

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精神科医・作家 樺沢紫苑さんとは?

【樺沢紫苑(かばさわしおん)さんプロフィール】

精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。札幌医大神経精神医学講座に入局。大学病院、総合病院、単科精神病院など北海道内の8病院に勤務する。2004年から米国シカゴのイリノイ大学に3年間留学。うつ病、自殺についての研究に従事。帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。精神医学の知識、情報の普及によるメンタル疾患の予防を目的に、メールマガジン、Twitter、Facebookなど、累計30万人以上のインターネット媒体を駆使し、精神医学、心理学、脳科学の知識、情報をわかりやすく発信している。

【代表著書】
学びを結果に変える アウトプット大全
学び効率が最大化する インプット大全
脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術
絶対にミスをしない人の脳の習慣
読んだら忘れない読書術
脳内物質仕事術
精神科医が教える 1億稼ぐ人の心理戦術
メールの超プロが教えるGmail仕事術
ツイッタ-の超プロが教えるFacebook仕事術
「苦しい」が「楽しい」に変わる本

【HP】
樺沢塾 精神科医の仕事術「オンラインサロン」
情報発信者を目指す人に向けた「学び」のコミュニティ「Web心理塾」


『アウトプット大全』は2019年のビジネス書総合3位

樺沢:皆さん、こんにちは。精神科医、樺沢です。今日のレジュメは後でPDFファイルで皆さんに送っていただきますので、重要なところだけメモして、基本的に前を向いて聞いていただけたらなと思います。スライドの撮影は不可ですが、私の撮影はご自由です。

後でSNSに投稿するのはご自由です。最後に、私のセミナーで感じた「気付き」を3つメモしてください。今日もたくさんのノウハウがありますが、たくさん学ぼうとすればするほど脳がいっぱいいっぱいになって、何も覚えていないということになるので、3つぐらいの気付きと3つのTO DO、「明日からこれをやる」ということを持って帰れば十分かなと思います。

さて、この中で皆さん、出版したいという人はどれだけいますか?今日は出版の話をしたいと思います。私はかれこれ2002~2003年ぐらいから16~17年の間におよそ30冊。年2冊ぐらいのペースで本を出版しています。その中で、ようやく28冊目に出た『アウトプット大全』が51万部、去年8月に出版した『インプット大全』が13万部、累計64万部が今売れています。

毎年発表されるビジネス書のベストセラーランキングで、『アウトプット大全』は2019年のビジネス書のベストセラーで第3位になりました。去年1年だけ見ても日本で3番目に売れたビジネス書、今一番売れているビジネス書と言って過言ではないと思います。

最近ではビジネス本とは少し違う自己啓発系というか人文系で『嫌われる勇気』がありますが、これだけ売れるビジネス書はほとんどなくて、数年、5年に1回やそのぐらいのレベルでの売上になっています。今日は、皆さんが知りたい『アウトプット大全』がベストセラーになった秘密と方法をお伝えしていこうと思っています。

YouTubeの登録者15万人を突破!日本で最もアウトプットする精神科医

私は、インターネットの情報発信と本の執筆、あとこのような講演活動しかしていません。精神科医ですが実は診療していない、と言いながら患者さんがどうしても切れないので、本当はやめたいなと思っていますが、月1回だけ診察はしています。

私はインターネットでメルマガを2004年ぐらいから15年間ほど、ほぼ毎日発行しています。あとFacebook、Twitter、その他10万人登録者がいます。YouTubeは今一番力を入れていて、先ほどもYouTube、YouTube LIVEなど話がちらちら出ましたが、YouTubeはやばいですね。

非常にいいです。ものすごく、あり得ないぐらいいいです。つい先ほどチャンネル登録者数が15万人を超えましたが、ここまでくるのにかれこれ6年かかりました。ですが10万人を越えたのが去年なので、ここ1年で5万人が増えていることになりますし、ユーザーも今すごくいい感じに増えている、ということでインターネット40万人に対して情報発信をしています。

YouTubeも毎日更新しながら今6年目に入り、これまでに大体2,000本ぐらいの数の動画が上がってようやく再生15万回、フォロワー15万人。日本で最もアウトプットする精神科医という形で頑張らせていただいています。

出版の基本1:本はどうやって出版する?

今日は出版系の話題になりますが、出版したらどういうメリットがあるのか、などといったことはおおよそ察していると思うので、TO DOの方に特化してお話ししたいと思います。この「本を出す方法」をある程度は皆さんも知っていると思いますが、今一度確認しつつ、もう1つは「ベストセラーを出す方法」です。

自己紹介のときに「今もう本が出ますよ」とか「本が決まりました」という方や、出している方もすでにいらっしゃると思うので後半の話も面白いかなと思います。

まず、出版の基本の用語をいくつか確認します。皆さんは本をどんな風にして出していると思いますか?出版の方法は2パターンしかありません。1つは編集者主導型です。

まず編集者から突然皆さんのところにメールか何かが来て、「本出してくれませんか?」と言ってくるパターンが実は結構あります。私が30冊出している中で『スープカレーの本』という最初の本は向こう(編集者)から来ました。

ブログやインターネットのメディアをきちんと持っていたり、インフルエンサーであったり、検索したときに上位に入っていると「この人すごい専門家だな」と向こうから来ますね。

でも、なかなかこれは自分でコントロールできるものではないので、多くの場合は皆さん方が自分で企画書を書いてそれを編集者に見てもらうという、持ち込み型になってくると思います。やることは決まっていて、まず企画書を書く、ですね。あとは編集者にそれを見せるという、この2パターンしかありません。

実際には、編集者とのコネクションはなかなか難しいので、それをどうやって増やしていくかという問題はありますが、基本的に皆さん方はちゃんと企画を練って企画書を書いて編集者に見てもらう。そこで編集者が「これ面白いですね」と言ったときに社内の会議にかけて、そこで通れば出版が決まるというのが流れです。「攻め」と「待ち」がありますが、両方の話を今日は致します。

待ちの戦略で出版する方法

最初に、待ちの戦略で出版する方法について簡単にお伝えします。皆さん、ブログをやっている方どれぐらいいらっしゃいますか?7~8割方の方がいますね。どんな人が本を出せるか、それは分野ナンバーワンの人です。

すごく大きい分野でなくても、例えばダイエットであれば、「ダイエット×何」とか、「ダイエット×何」というように。3つぐらいの検索ワード1位もしくは3位ぐらいまでに表示されている、ということがまず重要でしょう。

小さなお山の大将でいいので、「なる」ことが重要です。すると出版の話が来ます。編集者の人はたくさんの企画を持っていて、常に著者を探しているんです。探し方は、本屋さんに行って本を書いている人か、もしくはネットで調べる。この2パターンだけです。

とはいえ、本を書いている人に出してもらっても、例えばものすごいベストセラー作家なら、頼んでも出してくれないですよね。売れない人に頼んでもおそらく売れない本しか書かないと思うので、意外に編集者は新しい人を探しているのです。

だから皆さんはしかるべき、出したい本のキーワードで検索エンジンの上位に入ることが重要であり、入っていると話はかなり高い確率で来る可能性があります。2つぐらいのキーワードで検索エンジン上位に入るといいですが、更に3つぐらいの掛け算の中で「この人はその分野では専門なんだ」とわかるのがといいのではないかと思います。

何といってもブログPV数は重要で、有名なブロガーの人を見ればわかりますが、ほぼ全員本を出しているでしょう。本人がどうしても出したくないという人は別ですが、例えば100万PVぐらいのブロガーの人には本の話が100%来ていると思います。今の時代、本はあまり売れないので、できるだけたくさんの本を売るにはどうするか「売ってくれる人に出してもらう」です。

だからインフルエンサーやブログ、YouTubeやインスタでも、インターネット上のメディアフォロワーを何十万人も持っているような人であれば、「さすがに5千部刷って増刷されないということはないだろう。1万、数万部ぐらい売れるだろう」ということで声がかかりやすくなります。

企画書を書く際も、5万PV以上あるとかなり自慢できるのではないかと思いますね。ニッチなジャンルなら1万PVほどでも十分いけると思いますが、5万PVあると「かなり多いですね」と編集者の人も見て思うと思います。

「出版するのは多分何年か先だ」と思っている人も、こういうものをきっちりと普段から、今からやっておいて損することはないです。ブログのページ数も重要です。ブログにある程度のコンテンツが上がっていて、「この人、面白いことを言うな」「この分野についてすごく詳しいな」「すごくわかりやすいな」「専門家だな」というのがブログを通して分からないと意味がないので、やはり100記事ぐらいは欲しいですね。

攻めの戦略で出版する方法

「攻めの戦略で出版する方法」は、先ほどと逆のパターンです。企画書を書いて、編集者に提出するということになります。今日皆さんは企画書を書きましたね。企画書の書き方は何となく経験されたと思いますが、今回に限らずちょくちょく書いた方がいいと思います。ちょくちょくとは、まあ10枚以上ですね。

私はもう企画書は書かずに目次を書きますが、目次を書くことをとにかくオススメします。何か面白そうだな、本になりそうかなと思った時に目次を自分で書いて見てみると、「つまんない本だな」と寝かせることになって、もう1度それを1年後ぐらいに見ると「今だったらこれ、もっと面白くなるんじゃないの?」ということもあるので、そんなことをネタ出しでちょくちょくやっています。企画書を書くには「コンテンツを育てる、整理する」ということが必要で、後で具体的な方法を述べます。

あと、編集者に提出するために編集者との人脈やコネクションが必要になってきます。ほかの人の出版パーティーに行くと、少なくともその本を出した編集者と知り合うことができるのでオススメです。

また、いろいろな出版系のイベントや編集者が集まるような所があるので、そういった所に顔を出すと人脈が広がります。私のウェブ心理塾でも出版の人を毎回数人は懇親会に呼ぶようにしていますので、そこでも名刺交換をしていただきたい、と思っています。

重要なのは、同じ1枚の企画書を、ある会社でばっさりダメだと言われても、ほかの所ですぐ決まったりすることがあるということです。編集者の人は「こういう本を出したいな」という10個か20個ぐらいの企画を常時持っていますが、そこにパッと当てはまると「これ、ちょうど出したかったんだよね」となるので簡単に決まったりもします。

逆に言えば、例えばマネー系の本を出したいと思って、それを得意としていない編集者にいくらアプローチしても、それは絶対に不可能です。編集者に興味がない、またその部分の知識がなければ、あなたの専門が例えば金融マネー系でものすごい知識と情報を持っていることが分からないので、企画として通らないのです。

そんな編集者との相性がありますから、1回当たってダメでも別に何もがっかりすることはないですが、企画書は常にブラッシュアップしていく必要はありますね。

こういった編集者との人脈やコネクションは、コミュニティの力を借りるのでもいいですが、自分自身で常に開拓したり、いろんな所に顔を出しいくということも必要かと思います。

私はずっとそうやっていました。今でこそ頻繁に出版の依頼が来て、断るのも大変なのですが、7~8年ぐらい前までは皆さんと同じようにいろんな出版パーティーなどに行ったりして、名刺交換を地味にやっている時期もありましたね。

出版の基本2:本は誰でも出版できるのか?

さて、「そもそも出版というのは誰でもできるものなのでしょうか?」という話ですが、結論から言うと、できます。世の中には、出版できないステージの人と出版できるステージの人がいるのです。

出版できるステージとは、経験値があるとか、専門性があっていろいろなことを知っている、ある程度文章を書くことができる、あるいはインターネットですでにみんなにいろいろ教えたり、伝えたりする仕事やプロセスをしている、いうことで広がるステージ。

今日集まっているような、コンテンツホルダーで何かしっかり教えたいものがある、教えている人、あるいは準備している人も教えているものがある人は、基本的に出版手前のレベルに入ると思います。そういったものがない人は出版できないステージの人。出版は無理です。

面白いコンテンツを持っていなければ、絶対に本が出るはずはないので。皆さんもいくつかの条件をクリアしてスキルを磨くと、こっち側(出版できるステージ)に行けるでしょう。

ある程度自己成長して、準備をして、出版をするためのアウトプット力、いわゆる出版力を身につけていくことで、ほとんどの人は出版を手にすることができます。

出版に必要な能力は

では、出版に必要な能力というのは何かというところですが、まずコンテンツ力、あと文章力と拡散力、この3つかなと思います。コンテンツ力は皆さん方すでにありますが、それがどんなに素晴らしいものか、ほかの人にうまく伝わっていない人がいるのです。

ここで自己紹介した時、「すごくこの人面白そうだな」という人が何人かいましたし、「ちょっと何かよく分からないな」という方も若干何名かいらっしゃったりする。でも、よく聞くとその方のコンテンツもすごく素晴らしいはずなんです。コンテンツ力があってもそれがちゃんと相手に伝えられないといけないので、そこも含めてのコンテンツ力です。

あと文章力。「基本的にライターとかに書いてもらうので文章力はいりません」と教える人もいます。最終的にライターに書いてもらってもいいですが、ある程度文章を書けないと、やっぱりいい本はできないんじゃないかな、と思います。ブログなどである程度読ませられるような文章を書くということです。

文章を書くということは、文章自体がうまいか、小説家になるわけではないが、物事を整理してポイントを押さえて伝える、具体例を付けて伝える、そんなことを含めて説明する力です。ここが根本的に弱いと、本になったときにも売れる本ができるとは思えない。

先ほど言ったように、編集者はまずネットで検索して皆さんのブログやプロフィールを見るわけです。その時にブログに書かれている文章があまりにも拙い、ひどいものなら一瞬で閉じられてしまうので、そこでパッと目につくレベルの文章力というのは必須だと思います。

それから拡散力です。拡散力とは、先ほどのブログPV数であるとか、YouTubeのフォロワー数、また、皆さん方は専門のスクールなどされているので、そういった人が応援してくれるのかどうかも、1つの拡散力という形になるでしょう。

出版社の人も、今は本が売れないので著者さんにどれだけ売ってもらうか、ということを
特に小さい出版社はそこを重視したりする人もいるんです。ある程度の拡散力。逆に言うと、拡散力さえあれば、まあまあ簡単に決まることもあります。

買取という方法もありますが、買取条件はあまり良くないので私はお勧めしません。私には買取条件はありませんが1,000冊ほど自分で買って売ります。

この間、『インプット大全』は1,500冊買いました。でも1,500冊分の買い手は決まっているので、その場ですぐ売り切れてしまい、さらに300冊買いました。それだけ自分で売ることができると1,000冊ぐらい簡単に売れるのです。

1,000冊簡単に売れれば、発売と同時に重版という形になります。ファンを育てることと同じですが、自分の媒体を育てる、ファンを育てる。ここをきっちりやっていくと、結構簡単に出版が決まります。

ブログをやると必要な能力が全て身につく

ブログについて話していると、「どこまでブログに書いたらいいんですか?」という質問が必ず出ますが、全部書いていいです。本の内容を全部書いていいですし、本の下書きと思って書いてもいいです。少なくとも私はメルマガを毎日書いていますが、本の下書きと思って書いています。

ブログに全部書いてしまうと、後で本になった時に書くことがない、とも言われますが、実際にメルマガで書いてもう1度リライトすると、2~3割ぐらい良いものができる、良い文章になる。

そこに新しい事実や論文などを追加して書くので、もっとコンテンツが良くなります。最初から8割の力で書くと、それをリライトした時に100にしかならないです。最初100のもので書いておくと、リライトした時に120とか130になります。だから、出し惜しみせずに書いた方がいいと思います。

もう1つ言うならば、例えば80の力で書いたそれを見て、編集者の人は皆さんの実力を評価します。ブログを読んで、その人を仮に知っていたとしても「こんな当たり前のことしか書いてないじゃん」と全力で書かれていなければ伝わりません。皆さんのそのブログを読んだ一般のファンの人もそう思うので、手抜きをしないで全部書くのが私のやり方です。

また、「ブログに全部書かれていたら、そのブログを読むから本買わないのでは?」と思うのもまた間違いです。『週刊少年ジャンプ』で毎週『ONE PIECE』を楽しみに読んでいる人が、『ONE PIECE』の単行本が出たら買いませんか?という話です。みんな絶対買いますし、これがファン化です。

しっかりネタ出しをしてファンになってもらうことによって、本が出た時に買ってもらえるチャンスも増えてくるのです。そこで8割のものしか出なければ、「またどうせ本出してもぼちぼちのものなんだな」と思われて買ってもらえませんので、全力でブログを書きましょう。

出版の基本3 出版に必要な三種の神器

「出版に必要な三種の神器」ですが、企画書・プロフィール・目次です。この3つがとても重要なものとなってきます。よくある質問ですが、企画書とプロフィール、強いて言えば重要なのはどっちでしょうか。プロフィールは「こんなことをしてきました」という、皆さん方の略歴です。企画書とプロフィール、どっち重要ですか?

この正解は人によって違います。こういうセミナーをする際に皆さんへ尋ねていますが、人によって違うので正解はないです。ただ、私の場合はプロフィールです。

著者となる皆さん方は、「この企画を本にしたいんです」「この内容のこういう内容で本にしたいんです」と言います。編集者はそんなことは考えずに、この人の本を出版できるかどうか、を必ず見ます。編集者はその人に魅力があるのか、あるいはその人が持っている全体のコンテンツなどを見極めて、この人の本を出すかどうかを決めるので、その企画を出すかどうかは全く考えていません。

「本が決まりました」となったとき、優秀な編集者の人はもう1度ゼロベースで棚卸しをしています。「この企画も結構いいけども、実はもっといろんなこと知っているんじゃないの」とゼロからネタ出しをして、もう1回企画を練り直すのが普通の作業です。

私もウェブ心理塾の中で企画書コンペをしますが、そこで決まった塾生さんも、半分、3分の2ぐらいは同じ企画書の内容で出ますが、残りの3分の1ぐらいは全く違った内容で出ることもあります。

「この人の本、出版したい。この人の本を出版しようかどうか」というのが編集者の思考です。だから、皆さんが売り込むのは企画ではなく、皆さん自身なんです。いいですか。ここはとっても重要です。

企画書は1個だけじゃなくて、2つも3つも4つも5つもあった方がいいです。「これの企画でダメならこういうのもありますよ」と。で、ダメなら「じゃあこういうのもありますよ」とすぐ言えるぐらいに、3つぐらいは用意しておいた方がいいでしょう。

すると、「この人はすごいいろんなこと知ってる人だな」「切り口の多い人だな」と、そのときの企画はダメでも興味を持ってもらえる可能性があります。

あと、企画にこだわらない方がいいです。編集者の人と企画の話になって、編集者が「その企画は分かりましたが、こういうのが面白いんで、この企画で出してくれたらすぐ進められますよ」と言われた時に、断っている人が結構多いです。

皆さんが出したい本は、基本的には売れない本の企画で、皆さんがただ書きたいだけなので、そのまま出せば売れない本ができるだけです。

「企画書すら書けない人間が本1冊書けるのか」となる、企画書は最低限の試金石です。企画書が殺伐としたものだったら、さらにそれを200ページ分に広げたとしても素晴らしい本が書けるはずがないので、企画書を魅力的に書けない人はもう論外ですね。

企画書と同時に、プロフィールの方も重要なので、プロフィールに皆さんの経歴やすごさ、「今までこれだけのことをやってます」「何百人に指導しています」「これだけの人を結果出してます」という魅力をしっかりと盛り込むことが一番大切です。

編集者は自分の企画を実現する筆者を求めている

編集者はおおよそ、自分で企画を立てるのが好きで、人の持ってきた企画をやるのが実は好きじゃないんです。だから、多くの編集者は自分の企画を書いてくれる著者を探しています。そこで皆さんが出したものが、その企画のいくつもある引き出しの中にたまたま入ると、すぐに出版が決まったりもします。

企画を編集者に1回却下されたからといってがっかりする必要はなく、「2人、3人、5人、10人ぐらいあたってようやく決まりました」っていう人もいますが、本当にそういうことは起きますし、これが「出版実現の必勝法」です。企画ではなく自分を売り込むということですね。「あなたの本を出したいです」と言わせることが一番重要です。

具体的な出版ノウハウとは

繰り返しになりますが、「本を出版したい。『通る』企画を書こう」と皆さん思いがちですが、編集者の心理としては「ベストセラーを出せる金の卵を発掘したい!」と思っています。編集者が探しているのはどちらでしょうか。5千部の著者なのか、10万部の著者なのか、どっちだと思いますか?10万部の著者を探しているはずですね。

5千部で良ければ、今本を出している人に頼めばいいだけの話ですし、その方が安心でしょう。
今、大ベストセラーにはなってないけれど、まあまあ売れている人に頼めば、出来上がりもある程度の水準を保障されているし、大ゴケすることもない。経歴もあるし、ファンもついているから。けれど、新しい人に頼むのはとてもリスキーなことです。

本当に文章が全く書けない人や、口先だけで大変苦労したという話も、よく編集者の人から聞きます。ものすごい才能を持っている人もいるかもしれないけれど、実際本として書いてみたらぼちぼちの本しか書けない人もいらっしゃるわけだから、それなら今出している人に頼めばいい話です。

でも編集者は10万部の著者を探しています。本を出したいと思ったときに、5千部のほうの企画書を書いている人がほとんどなのです。ただ自分の経験などをまとめて出しても、ベストセラーにはならないので、ここの部分のマインドをまずは変える必要があります。

別に5千部の本を出しても、それはそれでいいと思いますが、編集者の人にメリットもないし失敗のリスクもあるので非常に出してもらい辛いです。

出版力を養う1 棚卸をする

出版力を養うためには、まず棚卸しをすることが必要です。棚卸しとは、皆さん方の経験や、どんなことができるのかを全部出してみるということ。そういうワークをやったことある人もいると思いますが、私がやるワークはこの4つです。

1つ目は「CAN」です。今までの経歴とか資格とか、皆さんができることを100個ずつ書いてもらいます。

2つ目は「FAN/FUN」です。好き、もしくは楽しい、自分がやっていて楽しいこと、好きなこと、私だったら趣味とかそういう娯楽も含めてです。

3つ目は「WANT」やりたいこと。こういうことをしたい、WANTリストやWISHリストをこれも100個書いく。

最後に「NEED」望まれていること。ほかの人から皆さんがそれぞれのスキルを生かしてどういうことを望まれているのか、ということです。この4つを書いていきます。

100個ずつ書けるといいですが、実際にそんなには書けなくても30~40個くらいはそれぞれ書いてほしいですね。すると皆さん方の中で、どんなことを書けるのかもう1回ゼロベースで見ていかなければいけません。

「WANT」に基づいてできる本は「書きたい本」なんですね。「CAN」で出るのは「書ける本」です。「NEED」は「望まれている本」です。ベストセラーになるのはどの本ですか?もう言わなくてもいいでしょう、ここ(NEED)の本です。皆さん方は大体ここで、WANTかCANで企画書を書いてしまうです。

「自分の経験からするとこれが書けます。私がやってきたことはこれなので、これを書きたいです。それを知りたい人がどれだけか知りませんけど」と。「CAN」と「WANT」で企画書を書いている限りは通らないです。皆さん方の自己満足ですからね。

ですから「NEED」をしっかり捉えた企画書になっていないと通らないということです。これがほとんどの人の間違いですね。

今日皆さんは企画書を書いてきて、「やばい」と思っている人がいるかもしれませんが「NEED」を追加していくことが大事です。例えば、「アンケート結果でこういうのがとても流行っているんですよ」や「多くの人に支持されているんです」などデータを盛り込めば「NEED」に近づけることができます。

またアウトプットについて、私は10年ぐらい前からずっと「どこかのタイミングで本とか出して流行らせたいな」と思っていました。私の「CAN」の中では、いろんなことをわかりやすく説明することが結構得意です。

最近アウトプットのブックがいろいろと盛り上がってきた中で『アウトプット大全』ができましたが、この「CAN」と「WANT」と「NEED」のバランスが非常に良くとれた段階でベストセラーは生まれます。

「WANT」がゼロならやる気が出ませんよね。「やりたくもない本書いてもつまんない」と思うような企画も私の所に来ますが、もしそれがベストセラーになる可能性があったとしても、「楽しくないようなことやってもしょうがないよね」と私は断ったりします。「CAN」と「WANT」と「NEED」もバランスが取れるっていうことが重要だと思います。

私はこれまで、300ページぐらいある重厚長大で長い長文の本をずっと書いてきましたが、今回これを封印した、自分が今までやってきたことなかったことをやったのが結構大事なポイントです。

出版力を養う2 事例を集める

皆さん方は薄々気付いていると思いますが、本屋さんに行ってどの本にも書いてある内容はほとんど同じですね。「またこれも同じようなことが書いてある」、「俺にも書けるよ、こんなんだったら」と思っているでしょうが、2つだけ違うものがあります。何だと思いますか?ちょっと書いてみてください。たくさん似たような本の中でも2つだけ違った要素があります。何だと思いますか?

男性A:著者と時期。

樺沢:著者と時期。はい、いいですね。

男性B:本人の経験談。

樺沢:経験談、はい。

男性C:タイトルのつけ方。

樺沢:タイトル、はい。

男性D:タイミングの違い、その時代に合っているか。

樺沢:時代に合っているか、タイミング、はい。

男性E:事例。

樺沢:事例、はい。皆さん優秀ですね。さすがです。小林さんコミュニティの生徒さんだけあって、ほぼ正解ですね。著者と事例。タイミングはもっと重要なので後で言います。

たくさんの本が出ていますが、違うのは、著者と事例です。これだけが絶対に違います。著者が違うのは当たり前だから、事例が違うということです。事例とは、そこに出されている例。

同じことを語るにしても、「私はこういうことをやってきたのでこういう風に言えます。私がやった中ではこうです。私がこういう風にやったのでこれが正しいです」という、この「私」が経験した、あるいは小林さんの本には塾生の皆さんの例や成功体験などが入っていたりしますが、それもいい例です。

皆さんが教えたり指導した中で、これだけ結果を出しています、という方のことも実例ですね。これがとっても重要です。というより、本で皆さんの個別性を発揮できる部分はここしかない、と言ってもいいでしょう。

ノウハウ的な部分に関してはどれも似てしまいます。ダイエットの話をするにしても、全く今まで誰も言っていないような方法論がいきなり出てくるはずもないし、もしあったとしても「それ、大丈夫なの?」と誰も受け入れてもらえないと思うので、とにかく「事例」が大事です。

経験、体験、実例というものを充実させることが重要です。皆さん方が指導してきた、できた、やってきたことを普段からまとめておくことが大事です。「予防医学で健康になった人、100人います」という人に、100人分の体験者の感想や感謝の手紙が束になってあったとしたら、それはものすごく有利です。

それは編集者の人の心を動かして、本にしたときもそのまま載せられると思うので、そんな意味での経験談や、皆さんのスクールの塾生参加者の声、あるいは読者の声をちゃんと集めて取っておくことが重要です。

私の場合は、よく論文などを引用するので「こんな科学研究がありました」という材料を何年もかけて集めています。というより毎日使えそうなものを全部チェックして、整理しています。今書いている本もそうですが、来年、再来年に書く本も決まっているのでそのための事例、使えそうな論文は今から集めはじめています。

2~3年がかりで集めるので、結構面白いのがあるわけです。これを3ヶ月ぐらいでやれ、と言っても無理ですね。たとえ頑張ってもその程度のものしか集まりません。

皆さんは、これから本を出したいと思っているのですから、事例を集めるのは今からすぐできるし、出版が決まってから100人分の声を皆さんの参加者に書いてくださいと言っても、連絡が取れなくなってしまう人もいるでしょう。終わった時に書いてもらって、ちゃんと集めておくのがとっても重要です。

そして、「著者」が先に言ったプロフィールのところに反映されます。「私はここが違うんですよ、ほかの著者とは」という部分をプロフィールでアピールするし、この事例は、目次のところでコンテンツの厚みという部分に反映されてくるわけです。なので、事例を集めましょう。

出版力を養う3・4 目次(100項目)、ブログを書く

あと、目次を書くといいです。目次を書くと、コンテンツを整理する力、本を書く力が養われます。私は「樺沢さん、本を何ヶ月ぐらいで書くんですか?」と尋ねられると、以前は3ヶ月と答えていました。1ヶ月はインプット期間、1ヶ月は目次を書く期間、1ヶ月は執筆期間。最近は骨太な本が多いので、執筆期間が3ヶ月ぐらいになってしまいますが、実は目次だけを1ヶ月かけて書くのです。そんな人はあまりいないと思います。

私の本を見ていただくとわかりますが、本とほぼ同じような目次を書きます。この『インプット大全』でも目次だけで8ページあるんです。250とか300のものもありますが、多くの本はページ数がおよそ200ページです。ということは、見開き1項目ぐらいのイメージで100項目あるといいのです。先ほど言ったブログ100記事というのはこういうことです。

ブログが100記事あれば、見開き1ページで記事にしていくと、本1冊分になります。なので、編集者の人もブログが100記事あがっていたら、「この人十分本になるだけのコンテンツ持っている」と判断します。ブログを100項目書いてみたらいいと思います。

今日、皆さんが帰ったら、書いてきた企画書に目次を自分で書いてみましょう。普通は5章ほどの編成が多いので、第1章20項目、第2章…というようにそれぞれ項目ごとに20項目書いて、5章編成だとちょうど100項目になりますね。6章構成だと17項目ぐらいずつ書けばいいと思います。

これを書いてみると……書けない人がいます。書けない人はコンテンツが足りないということです。だから、コンテンツを増やさないといけないし、大雑把にしないで細かく分けていけばいいですね。やってみましょう。

ワードのMSWordのアウトラインという機能を知っている方はいますか?MSWordとか、ワード使っている方、多いですよね?このアウトラインという機能は、階層ごとにカテゴライズができます。

第1章と書いて、その下に項目を階層ごとに分けて書いて、さらにその中をまた階層ごとに分けて書くということができるツールですが、これを使えば目次が簡単に書けます。ある部分をまとめてごそっとこっちに移したりすることができて便利なので、私はこれがないと仕事になりませんし、使えないと本が書けません。

また、このアウトラインを私はセミナー準備のときにも使います。今日は以前に使ったスライドが多いですが、ゼロから作る場合は90分セミナーで90行、90枚のスライドを1枚ずつここに書いていくと準備ができるのでアウトラインはとても便利です。これを使って目次を書くといいですね。

あとは先ほど言いましたが、本の内容をすべてブログに書いてね、です。ここまでが、皆さんの基本的な出版の準備です。こういったことをやっていただきたいですね。ブログをきちんとやっていきましょう、あと目次を書くと、コンテンツがものすごく整理されて、皆さんの出版力、出版脳が鍛えられます。

ベストセラーを出す方法

さて、ここからはいよいよ、ベストセラーを出す方法を説明したいと思います。『アウトプット大全』が、今50万部を突破して、100万部に向かって動き出そうとしていますがなぜこんなに売れているのか。これは普通の人が分析しても絶対にわからないです。

編集者の人がいろいろ分析したりしていますが、あるいはほかの著者の人も分析していると思いますが、絶対にわからないと思います。これは、出るべくして出てるので。別に運とか1%も関係ありません。というのも、これは私はもう出した瞬間に、企画書を見た瞬間に10万部絶対超えると思ったのです。非常に貴重な話をしていきますね。

ベストセラーのために最も重要なことは?

さて、質問ワークをしましょう。「ベストセラーのために最も重要なことは何だと思いますか?」書いてみましょう。幾つでも書いていいです。何に注意するか、何が必要なのか。ベストセラーの本はこれが必須ですよということを書きましたか?では、言ってください。

女性A:悩みに答えている。

樺沢:悩みに答える。はい、じゃあその後ろ。

女性B:フォロワーの数。

樺沢:フォロワーの数、はい。

男性F:世の中のニーズに。

樺沢:ニーズに応えている。

男性G:メッセージ性。

樺沢:メッセージ性、はい。

女性C:社会の傾向。

樺沢:社会の傾向、はい。まあ全部正解ですが皆さん、よく勉強していますね。素晴らしいと思います。私が考えるベストセラーの法則は「本の力×拡散力×タイミング」です。

ベストセラーの法則要素

「本の力」は内容です。もちろん内容がつまらなければ絶対にヒットするはずがないので当たり前の話です。でも、内容よりも実は重要なのが、表紙とタイトルです。どんなに素晴らしい内容でも表紙とタイトルが悪かったら、手に取ってもらえません。

手にも取ってもらえなければ、その良さが伝わらないので、タイトルと表紙がマスト、で、内容は当然。本の力というのは基本中の基本です。「すごく良い本なのに何で売れてないんだろう」という本もありますが、本の力の部分はマスト、必須です。良い本を作ったうえで、さらに拡散力が必要になってくるのですね。

拡散力には、販売促進、営業、広告、SNSなど…出版社側がやってくれる力と、皆さん著者自身がやらなければいけない力があります。今はSNSがこれだけ普及していますから、皆さん自身がSNSを使って盛り上げて、自分で本を売っていかなきゃいけないということです。

『伝え方が9割』という本が50万部のベストセラーになりましたが、その土江編集長の講演を以前聞きに行った時、最初の1週間で千冊売ったことが一番重要だと言っていました。著者の人が自分のコミュニティ、知り合いを通して、とにかくいろいろ自分で頑張って動いて、最初の1週間で書店で千冊売ったんですって。それによって、ものすごく初速がついたのです。

この初速が最も重要で、普通、本屋さんは編集者さんから本が出たとしても並べるだけです。出た瞬間に広告をかけてくれるところなんて、そうそうないですからね。自分で売っていかないといけないということが大事です。

もう1つ、私が今一番重要視しているのはタイミングです。すべてベストセラーになるか、ならないか。今の世の中、大体年間で10万冊以上の本が出ると言われていますが、その重版率はたったの2割以下で、ほとんどの本が売れません。その中で、売れる本を作るためには「ニーズを満たす」ことが重要なのです。

読者のニーズをなぜ外してしまうのか?

書く人、作家がいて、読者がいます。作家はおおよそ、「こういったこと書きたい」ということをついつい書きたがります。でも、それは読者が知りたいことか?本当に知りたいことなのか?となった時にずれが生じるから売れません。

読者はこんなことを知りたい、というニーズがあって、その「書きたい」と「読みたい、知りたい」のバランスが取れたときに本は売れるのです。つまり作家が「WANT」にフォーカスしすぎて書くから売れないのです。

皆さんの本が売れない理由は、「読者のニーズを満たしてないから」。「あなたがただ、書きたいだけ」つまり自己満足です。自己満足本を買いたい読者はいないので、まずそういった自己満足の世界から脱していかねばなりません。

読者のニーズを満たす、その内容を読者は「あなたが書きたいと思っているその内容を、読者は喉から手が出るほど知りたいと思っていますか」。ほとんどの場合はそう思っていないですね。逆に言うと、明らかに知りたいと思われるようなものなら、編集者も出したいとすぐ思うかもしれない。

読者のニーズを満たす、本当にみんなが欲しいものを本で出すとベストセラーになる。当たり前でしょう。あらゆるビジネスの本を出す編集者の著者も、実はニーズを狙っていますが99.9%は外れます。0.1%とか、0.01%ほどしか大ヒットしないわけです。

みんながニーズを狙っているのに、なぜ外すのでしょうか。例えば、「どんな本を読みたいですか」と100人にインタビューしてみましょう。これは、ダメです。やってみる価値はありますがデータは取れません。

ベストセラーの条件「負/不を解決する」(できないことを解決する本が売れる・悩みや欠点、短所、コンプレックスに訴求すると売れるなど)は基本中の基本ですが、重要なのは、ほとんどの人は自分がそれをできないことに気付いていない、ということなのです。

メンタルの患者さんでもそうですが、「具合が悪いです」と言われて「どこが具合悪いですか?」と聞いても「具合が悪いです」としか言えません。具体的にどこが悪いかがわかれば、それに対処することができるのです。

皆さんも短所や欠点があるでしょうが、「自分はこうこうこうで、こういうことができないのが欠点です」と言えれば、本を買ったりスクールに行ったりして治せばいいので、すでに解決できるはずです。

多くの人は「何かこう、うまくいかないな」とか「人間関係が何となくうまくいかないな」「毎日ちょっと健康、何か調子が悪いな」と漠然と思っているだけで具体的にどこがどう悪いかがわからならいのです。なので、アンケートで聞いても絶対に答えは出てきません。

『読んだら忘れない読書術』が15万部のベストセラーになりましたが、なぜこれが売れたかという分析としては、これを読んだ人からの「そういえば自分も本を読んですぐ忘れてしまうな」、あるいは「本を読んでも忘れるのは仕方がないと思っていた」といった声がすごく多かった。
つまり、読んで忘れるのは当たり前のことですし、みんなや自分もそうだけど仕方がないなと思っている。それを克服する方法があることすら知らないし、気付いていなかったということです。

逆に、読んで忘れない読書術があるなら絶対に知りたいと思ったので、この本が15万部のベストセラーになったわけです。つまり、自分の負/不は自分では認識できないことがある、だから想像して外すのです。

ニーズは読者目線で深掘りを

ゴンチャというタピオカミルクティーが大ブームになりましたが、例えば、20代の女性1,000人に「どんなお店に行きたいですか?どんな飲みものを飲みたいですか?」とインタビューした時に、「タピオカミルクティーが飲みたいです」と答えた人がいたと思いますか?今はいるでしょうが、例えば5年前には絶対にいないでしょう。

「台湾で飲んだ時においしかったから飲みたいです」と答えた人はいるかもしれませんが、それでも数人ぐらいでしょう。本当のニーズは水面下に潜っていて、そのニーズを掘らないといけないのです。

実はゴンチャを日本で展開した企業のインタビューがネットに出ていて、それが面白かったので紹介します。女性に「どういう飲みものが飲みたいですか?」「こんなドリンクがあったらいい、というのがありますか?」とインタビューした時、「コーヒーが苦手でコーヒー以外を出すカフェが少ないです」と回答したアンケートがたくさん出てきたそうです。

その時に「ああ、じゃあこれ、タピオカミルクティーでいいんじゃないの?」とアイデアが出て、このゴンチャが日本で展開されることになったのです。「掘る」とはこういうことです。もっと深いレベルで掘っていかないと、ニーズは出てこないですよ、という例です。

私の場合は、YouTubeを始めてチャンネル登録が今は15万人を超えましたが、最初の1年間は、本当に増えなくてとても困ったんです。「ちっとも再生されないのはなぜ?」と思っていた最初の数十本は、自分で「こういうのがあるとみんな再生するんじゃないの?みんなが知りたいんじゃないの?」。「WANT」の内容でずっと動画を作っていました。

「おかしいな。精神医学的には結構重要なのに」というふうに、どうしても専門家目線になってしまっていました。どうしたらいいかと悩んでいる間、「こういうことに答えてください」みたいなものが質問として寄せられていました。試しにそれを何本か採用してみると、自分がWANTで作った動画と比べて、2倍とか3倍ぐらい再生されていました。

「質問に答える」それが「ニーズ」です実際に質問を送って悩んでいるわけだから、そんな人が1人いるということは、同じように悩んでいる人が100人、1,000人いるのです。なので、私のYouTubeは質問を募集してそれに答える形式にしてからブレイクしました。

今はどちらかといえば話題提供型で「今日は誰々さんから質問いただきました」といったような、90%以上がそういう動画のつくりになっていますね。これは重要です。

情報発信して反応からニーズを探る

質問を集める場合は、申込フォームを使った方がいいですね。メールだと集まりません。メールは個人情報でメールアドレスが相手に知られるので、メールアドレス登録しないで匿名で送れるようにすると、質問や悩みが集まりやすくなります。

自分が悩んでることは、できればほかの人に知られたくないでしょう。匿名で送れるようにすると、メールの10倍ぐらいは集まります。私の所には質問だけで毎日10件ぐらい集まりますから、1ヶ月で300以上、もう何千の数の質問があります。

何千という質問がある中で動画を撮っていますが、「この動画絶対、すごい再生される」って思っていると、それほど再生されません。質問には答えたけれど、「この動画、どう見ても何かつまらない」と思うもののほうが何万回も再生されたりします。

これが面白いですね。「親を老人ホームに入れたいです」といった質問動画があって、それは爆発的に再生されて、「えー?」と思いますが、そういう悩みを持っている人がたくさんいるんですね。

そこにマーケティング、反応にニーズが表れるわけです。「何万回も再生されるようなものを集めて本を作ったら、すごいベストセラーになるよね」ということで、今度4月に私の悩み解決本が出ますが、情報発信をしているとニーズがわかります。

YouTubeでもブログの記事でもいいのですが、再生回数が回るブログと全然回らないブログがあります。そこにニーズがあるのです。

みんなが知りたいと思っていることを、普段の発信の中できちんと捉えていくこと、それをきっちりと企画書に盛り込んで、本に盛り込んでいくと、売れる本ができるということです。

新しい本の作り方

私は本を書く前に必ずセミナーを開催します。『神・時間術』を書いた時は「究極の時間術セミナー」というセミナーを行いました。今日も5,000円と2,000円のDVDを後ろで売っていますが、一度セミナーで全部話をしてフィードバックをもらいます。

参加者の人に、「わかりやすかったですか?わかり辛かったとこはどこですか?もっと詳しく知りたいとこはどこですか?」と。

さらに「時間術について疑問に思うことはどれですか?」をアンケートで200人もの人に、尋ねてフィードバックを取り、それを本に反映して作るんです。なので、ニーズから絶対にぶれないし、その本は必ず売れるのです。『神・時間術』は10万部、『読んだら忘れない読書術』10万部、『アウトプット大全』が50万部で『インプット大全』が13万部です。

10万部越えの本を4冊以上出す人は、違う内容で続編として出せば売れますが、全く違う内容で4冊の10万部を出している人はほとんどいないですね。拡散力が爆発的にほかの人と違う、ホリエモンさんぐらいでしょうね、おそらく。

お金を取ってもちゃんとみんなが来るか、が実は重要で、タダなら誰でもみます。1,000円セミナーでもいいので、お金を取ってもその話を聞きたい人がいるかどうかを確認するのが意外と重要です。

「インタビューする、たくさんの人から直接話を聞く」「質問を集める」「質問に答える」「発信して反応を見る」、こういったことをやっていくとニーズが掘れるわけです。とにかくここが一番重要でニーズさえマッチしてれば絶対売れます。でも、ほとんどの人はそれを掘ることができず、自分の予測でやっていて何の根拠もない。こんな日々の発信の中での手応えに答えが必ずあります。自分の中には全く答えはないのです。

たまに私の予想が当たることも、狙って当てることもありますが、毎日予想しても毎日外れるものです。われわれ専門家が予想もしないことや、もっとささいなことで悩んでいたりするんですね。私たち専門家が想定しないような、意外なキーワードで検索したりして拾うのが重要です。

ベストセラーを出すためのタイミング

もう1つ大切なのが「タイミング」です。私は2010年に『脳内物質仕事術』という本を出して、この時1万部しか売れませんでしたが、全く同じ内容の本を2016年に別の出版社から「再販したい」と言われて再販しました。

するとどれだけ売れたと思いますか?5万部売れたんです。2011年に『「苦しい」が「楽しい」に変わる本』を、あさ出版から出しました。これは結構売れて5年で3万部売れたロングセラーですが、これを文庫本にしたいと三笠書房から依頼があって、古い記述などを5%ぐらい書き直しました。

すると何と今2年で4万7,000部売れています。3万部以上文庫本で売れるのはかなり異例だそうです。内容は同じ。なのにどうしてこんなに本を出すと売れるか。「時代を先取りする男」として知られている樺沢紫苑は、今度の1月予測セミナーや、大予言セミナーもそうですが、予測するのがすごく得意でみんなの5歩ぐらい先を行っちゃうんですね。

今までに30冊の本を出しましたが、十数冊出した辺りで「どうも俺は時代の先を行き過ぎてるぞ」と気付いたのです。

もうちょっと待つ、タイミングをきちんと合わせないと売れるものも売れないのです。同じものなのに、出すタイミングが違うと2倍以上、5倍と売れます。『脳内物質仕事術』は茂木先生がきっかけで脳科学が有名になり始めたころです。

脳科学がテレビでも取り上げられるようになった頃で、脳内物質というタイトルの本はまだありませんでした。そこで出してみたけれど、脳内物質という言葉そのものをみんな知らなかった、ちょっと早過ぎました。

「今でしょ」もありますが、今すぐやるのがベストでないこともあるのです。皆さんの企画は、今一番良いタイミングなのかどうかが重要で、また難しいのですが「この本を出版するのにベストな時期は、ここ10年の中で『今』なのか」という話です。これを、説得力を持って、編集者に説明できたら本は出せます。

以前、レオナルド・ダ・ヴィンチが何千ページにもわたって残している『ダ・ヴィンチ・ノート』の研究者がいて、それをノウハウ的にビジネス本にしたいという企画が企画書コンペで出ました。その時一番重要だったのは、「2019年はダ・ヴィンチが亡くなってから没後500年なんです」というところ。

「そのタイミングを逃したら、あと100年待たないといけないじゃないか」と。そこで去年、2019年に『ダ・ヴィンチ・ノート』が出て、今1万部以上、2~3回重版されたと思います。実際に、ダ・ヴィンチの没後500年のイベントやラジオ番組に呼ばれたりしていて、しかも意外とそこを狙った本は他に出ていなかったから当たったのです。

私は樺沢紫苑の本を30冊出していますが、前絵の黄色から上と黄色から下には違いがあります。ここを境に、自分から企画を出すのを一切やめたんです。ここまでは、「私はこういう本を出したいです」と企画を編集者の人に出して、攻めの形でずっと本を作っていました。

『Gmail仕事術』など、そうではない本も何冊かありますが、これはニーズを入れた本です。カレーの本は出版社から来た企画で、他は自分からプッシュ型で出した本ですがそれをやめました。

アウトプットの重要性

やめたというのは、自分から「樺沢流企画を出さない出版術」に切り替えたということです。これをやっている人はほとんどいないと思います。例えば、実は2014年ごろから私はアウトプットの企画をずっと持っていて、ほかの出版社に出しても没になっていました。

そんな中『読んだら忘れない読書術』という本を出して15万部のベストセラーになりました。この本の内容を一言で言うとアウトプット読書術です。「本読んだら感想を書くと忘れません」「本を読んだら感想をできるだけ書き出すようにしましょう」ということです。そんなことを言ってる本はそれまでありませんでした。

読書術の本は「読んだら忘れない」以前と以後に分かれますが、それ以前はインプット重視だったので、ほとんどが速読と多読の本です。たくさん早く読むことが重要でした。そこで私が「少なくていいから、ちゃんと深く読みましょう」「忘れないで、身に付けることが重要ですよ」と言ってから、『東大読書』も読めばわかるでしょうが、今の本のほとんどがアウトプット読書方法を書いています。

この『読んだら忘れない読書術』の重要なところは、この本の中にアウトプットという言葉が出てこないこと。10個も出てこないと思います。この本では、わざとアウトプットという言葉を使わずに、アウトプットの本質を説明したんです。

アウトプットというキーワードが時代よりも先を行き過ぎている可能性があったので、わざとアウトプットを封印したのが、『読んだら忘れない読書術』でそれが成功した。それによって、世の中にもアウトプットの重要性が広がったということですね。

ネットでも検索しますが、『アウトプット大全』以前にアウトプットという言葉がタイトルに付いている本はこれくらいです。本当に数冊しかないんです。でも私は「どこかのタイミングでアウトプットっていう言葉がタイトルに付いた本がベストセラーになるのは間違いないだろう」とずっと狙っていました。

アウトプットも実際に広がってきて、2018年の1月にサンクチュアリ出版の吉田さんから突然メールが来て、「こういう本を書いてみませんか?」と連絡がありましたが「それは『アウトプット大全』という企画でございます」と。

企画書にコンテンツ案も書いてありましたが、「質問する」とか「依頼する」とか「断る」とかいう動詞のような形で書かれていて、見た瞬間に「あっ、これ面白いな」、「これは、10万部を超える大ベストセラーになる企画だ」と、この時思ったんです。また、「ようやくアウトプットの重要性に気付く編集者が現れたね。」とも思いました。

私は企画書をおよそ20ぐらい持っていますが、それとほぼ同じものが送られてきた時に、それを受けるという形式で今は出版しています。だから、待ちです。自分のタイミングだと早くなるし、編集者の人は「紫苑さん、アウトプットって最近盛り上がっている感じがしたので、そろそろいいんじゃないかと思いました」と言うような、どちらかといえば素人目線・読者目線で作っていくのが役割です。

我々はプロフェッショナル、専門家の目線なので、いろいろと細かくなりすぎたり、早くなりすぎたりします。だから、ほかの人の目線を入れるのがとても重要です。タイミングだと思ったら、そのタイミングを逃さないことが重要ですね。

タイミングはどうやって読む?

インプットしてアウトプットしてフィードバックをする、私の本『アウトプット大全』の中で説明しているポイントですが、私の場合は質問をたくさん集めるのが重要です。あとYouTube動画を見て、そんな質問が増えているかどうか、あるいはそんなことを悩んでいる人が多いのかどうかを確認することができるので、そこを含めてタイミングを見ていきます。

タイミングを計るとは、アウトプットをして反応を見るということです。ほとんどの人は自分の頭の中で「うーん、これはそろそろ」と1人で考えてしまい、それはインプット型の思考なので間違いです。

大全ブーム タイトルと内容を一致させる

あともう1個重要な要素があります。『アウトプット大全』が出てから、タイトルの「大全」ブームが起こりました。ご存知のように「何とか大全」といったタイトル本がいっぱい出ていますが、ほとんどの本が売れていない。なぜだと思いますか?

大全を辞書で調べると「十分に備わり欠けるところがないこと。完備すること。」「その物事に関する事項を漏れなく集成・編集した書物。」という風に書いてあります。そんな風に網羅的に書かれている決定版的なものでないといけないわけです。

タイトルの内容に乖離があった場合、読者から「え?大全って書いてあるのに大したことないじゃん」と思われた瞬間、ダメなんです。なので、タイトルと内容を一致させることが大事です。

あと『アウトプット大全』のすごさは、わかりやすさです。百科事典ってわかり辛いでしょう。大全とは、本来わかり辛くくなるはずのものを、見開き2ページで図もたくさん入れて、非常にわかりやすく書いていることが重要です。

このベストセラー戦略の3番は「わかりやすさ」で、サンクチュアリ出版は、“本を読まない人のための出版社”と、ホームページの一番のキャッチコピーに書いてあります。

つまり、普段本を読まない人にわかりやすい本を出そう、という出版社だったので、私はこのサンクチュアリ出版さんからの依頼を受けた時に、今までで最もわかりやすい本を作ろう、と思いました。編集者のコンセプトも見開き2ページで図版が入るというので、「これはいいな」と。私は図が入るような本をこれまでほとんどやってきませんでした。

コンフォートゾーンを出る

私の本は今まで300ページ越えの、超ヘビー級の本が多かった。そして2018年の私の目標が、たまたま「コンフォートゾーンを出る!」でした。コンフォートゾーンというのは快適領域です。

今自分がやっていること、できていることの外側に挑戦しようというのを年間の目標として書いていたのです。新しい本は書いてなかったので、これはやってみると面白いんじゃないの、と思ったわけです。

『アウトプット大全』にある、コンフォートゾーンの図です。皆さんが今、成功しない・うまくいっていない、ならばその答えは皆さんの外側にしかないです。もしくは皆さんが知っていて、怠慢で、怠けているか。そうでなければ、皆さんが知らないようなこと、やっていないことの中に答えがあるので、困ったときはコンフォートゾーンを出ない限り解決しません。この図は『アウトプット大全』に書いてあります。

自分の信念を貫くのはいいことですが、それを貫いてうまくいかない場合は、違う意見や真逆のことをやってみるといいです。ビジネスの成功法則の中には「素直」がありますが、そういうことです。

うまくいっているならいいのですが、自分が思ったことがうまくいっていないとしたら、そうじゃない意見を聞き入れる素直力というのは重要です。

本の二極化と購入ターゲット

本屋さんに行ってどんな本がはやっているかを観察するのは、本を出したい人、もしくは出している人にとって基本中の基本です。最近のトレンドは難しい本、長い本、重厚長大な本、読み応えのある本というヘビーな方の本がすごく多いです。

去年の年間ベストワンビジネス書は『ファクトフルネス』という本ですが、まあまあ読み辛くて私は読めませんでした。『ファクトフルネス』は全然わからなくても、それを1ページぐらい要約しているサイトがあって、それをこの間読んだら、すごくよくわかって。その後もう1度『ファクトフルネス』を読んだらとてもよくわかりました。

分かりやすさが欠けている本が多い中で、年間、雑誌と漫画以外を全く読まない日本人が50%だそうです。つまりビジネス書や単行本を読まない人、買わない人が日本人の50%なんです。その人が手に取るような本を出すと、一気に何十万部へいきます。

ビジネス書の著者は10万人だと言われます。ビジネス書を定期的に買ったり読んだりする人は3万人という人もいますが、大体10万人。だから1万部、3万部ぐらいのベストセラーは出ても、5万10万となった場合は、普段本を買わない人が買わないと出せない数字です。

だから、普段本を買わない人たちが買うような企画を皆さんは狙わないといけないわけです。そこが入ってくると「ああ、これは売れそうだね」と通りやすくなります。「わかりやすいは、最強の武器になる」です。

ベストセラーを出すための拡散力

ベストセラーの法則、最後は拡散力です。出版したいならブログは必須です。ブログを書いているとまず文章が書ける、濃いコンテンツがある、ということが証明されるメリットがあります。
そこにアクセスが集まっているとすればニーズがある、興味を持っている人がたくさんいますということです。

私の塾生の中で家計簿の本を出した人がいますが、彼女のブログは月間で30万PVもあります。家計簿はどこか、はやっていない感じがありますね。今は家計簿なんて時代遅れなんじゃないかと思ったら30万PVあるんです。彼女はここ3年間で家計簿の本だけを5冊出しています。さらに2万部ぐらい売れているので、またオファーがくるのです。常識とそんな現実は乖離しているのですね。

その場合もニーズ。何かニッチっぽいけれど「30万もアクセスがあるんですよ」というだけで説得力になります。同じようにPVが多いと、この人なら売れそうだ、となるので皆さんもブログを書いて、そこにアクセスを集めていくことがとっても重要です。

ウェブ心理塾とは

最初に、攻めの戦略で出版する場合は編集者との人脈、コネが重要ですと言いましたが、ほとんどの人にはそれがないです。私は30冊も本を出しているので、自分の担当編集者だけでも20人ぐらいの知り合いがいるし徐々に増えていますが、会員数が400人以上いる私のやるウェブ心理塾は、すでに本を出している人がたくさん入っています。

著者で50名以上、そして累計出版冊数が250冊以上で多すぎてよくわからないので一度ちゃんとまとめようと思っていますが、私の所にみんなから献本が送られてくるので、私が持っている冊数だけで250冊あるんじゃないかと思います。

「ウェブ心理塾」とは、情報発信を極めていく塾です。メルマガ、ブログ、Facebook、YouTubeなどで情報発信をしよう、から始まって人に教える立場の講師になって、そこから本を出していきましょうと。さらに分野、地域ナンバーワンを目指しましょう、というのは、小林さんの「THE ONE」と似ている部分があると思います。

今、一番に力を入れているのは、本を出すところです。今年は7月18日に行いますが、出版企画コンペを毎年やっていて、皆さん方に企画書を、本を出したい人全員に出してもらいます。

去年は約80の企画書が集まって、プレゼンした人が40人ぐらいです。ここで1分間プレゼンをして、そして最後に『スター誕生!』形式で「この人の本を出したい編集者の人は?」ってワーッと札を上げてもらいます。参加する出版社がすごく多い、また一流出版社がほとんど集まるというところが他社と違うところです。

こんなコンペをやっている所はほかにもありますが、ただここはサンクチュアリ出版、ダイヤモンド社、サンマーク出版、フォレスト出版、大和書房、もろもろ超有名所のビジネス書編集者の皆さんが集まってくださるところが、私が声をかけていることもあってほかの所と圧倒的に違うと思います。ほかの出版塾だとせいぜい3社とか5社ぐらいでしょう。

私のところでは10から15ぐらいの出版社がきます。呼びかけは20から30ぐらいの出版社にしますが、それでもこれだけの人が来てくれると、たくさんの人の前でプレゼンすれば1人ぐらい札を上げてくれるものです。いろんな切り口があるので、1人ぐらいは興味を持ってくれる人がいて、非常に札が上がりやすいです。

私は小林さんの塾のようにマンツーマンでフォローはしません。なので、今日の話は前に塾生に話したことをアレンジしたものですが、正しい方法論をやって、あとは自分でやってください、という形式になりますが、月額5,500円と非常に安い。その代わり会員数も今400人ぐらいいます。

たくさんの人がいますので、安くしてたくさんの人に参加してもらいたいです。やる気のある人に結果を出してもらうという塾なので、個別にマンツーマンサポートはしませんが、こんなプレゼンチャンスを毎年やっています。ウェブ心理塾に入塾していただけると、こちらのコンペに企画書を出して参加することができます。

今から参加しても7ヶ月分で5×7の3万5,000円しかかからないので、3万5,000円でこの企画書コンペに出してみませんか。毎年20人ぐらいに札が上がりますので、20人ほど出版が決まる。可能性としては非常に高いので、少しでも出版のチャンスを広げたいという方は検討していただけたらと思います。

私も自分が始めた時から「YouTubeいいよ」とずっと言っていて、始めた人は何人かいますが、何年も前から始めた人は結構な結果を出しています。小林さんと一緒に勉強して出版を目指していこうという人はご検討いただけたら幸いです。ということで、出版企画コンペで出版を実現しましょう、という話でした。

まとめ

基本的にちゃんと出版力を身に付けて、ブログなどで情報発信をして、検索エンジンに引っかかるようになって、それをどんどん積み重ねていくと、(ちゃんとしたコンテンツがあるという前提であれば)どこかのタイミングで必ず出版できると言っていいと思います。

皆さんの足りない部分もあると思いますし、企画書なんかはサラサラッと毎日のように書かないといけません。パッと何かいいアイデアが思いついたら、企画書にとりあえずまとめて、出さなくても保存しておくことが結構重要です。

私は企画書ではなく、目次という形で保存しますがちょくちょく書きます。「ああ、これは本になりそうだな」と思ったら、章立てと、それぞれの10項目ぐらいを書けば、15分ぐらいでできます。寝かせるのも重要です。

書いた時には「これ最高じゃん、この企画」と思うものですが、1週間後に見たら「何バカなこと書いてたんだろう」と思ったりします。それをさらに1年後に見たら「結構これ来てるな」となることもあります。時間を置くと客観的に見られるようになるので、そんな蓄積を皆さんにやっていただきたいなと思います。

長い間ありがとうございました。皆さんも頑張れば必ず出版できますので、ぜひそこに向けて努力して積み上げましょう。出版することで皆さんのブランドが高まり、皆さんがやっている教育プログラムも広がることは間違いないと思いますので、皆さんのご成功をお祈りしております。
今日はどうもありがとうございました。

【HP】
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