【本田 健】Happy Money

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『Happy Money』著者本田 健さんとは?

【本田 健さんプロフィール】

作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家として活躍。育児生活を経て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」「ライフワーク」「ワクワクする生き方」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。そのユーモアあふれるセミナーには、世界中から受講生が駆けつけている。大人気のインターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は4000万ダウンロードを記録。世界的なベストセラー作家とジョイントセミナーを企画、八ヶ岳で研修センターを運営するなど、自分がワクワクすることを常に追いかけている。2014年からは、世界を舞台に講演、英語での本の執筆をスタートさせている。

著書は、累計発行部数800万部を突破している。2019年6月にはアメリカの出版社Simon & Schuster社から、初の英語での書き下ろしの著作「Happy Money」をアメリカ・イギリス・オーストラリアで同時刊行。また同作はヨーロッパ、アジア、中南米など、世界25カ国以上の国で発売されることが決まっている。

【著書】
『Happy Money』日本語版
『Happy Money』英語版


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小林 : こんにちは、小林正弥です。今回も著者対談を始めさせていただきたいと思います。今回はいよいよ僕のメンターである本田健さんにお話を伺っていきます。本田健さんは皆さんご存じだと思いますが、国内で累計800万部のベストセラー作家としてご活躍され、いよいよ初めての英語の書下ろし、『Happy Money』を全世界的に展開されました。

この世界展開が始まったタイミングで健さんにお話を伺っていきます。ちょうど僕も2冊目の『億を稼ぐ勉強法』、ミリオネアになる勉強法ということで、僕自身も健さんはじめ、いろいろな億万長者の方に学んだ勉強法というのを、本にまとめました。今回は特に、社長で1億以上のビジネスをつくりたいという方が中心にご覧になっていますので、健さんがどうやって学び、お金やビジネスをアップデートされてきたのかを、ぜひ伺っていきたいと思います。健さん、よろしくお願いします。

本田 : よろしくお願いします。

小林 : まず、『Happy Money』をなぜ書かれたかについて、教えてください。

本田 : 今まで作家として17年ぐらいやってきましたが、もともとお金と幸せが大きなテーマでした。今回アメリカ、ニューヨークで出すということは、世界10~20カ国に出版されるパターンがほとんどです。ギリシャやチェコスロバキアなど小さなところからもすでにオファーがきていて、ヨーロッパやアジアを含めてすでに40ヵ国以上で出版される予定です。秋で40カ国ぐらいに出ることになっていますので、それだけの国に広がるのですが、世界中の人たちに、お金とどうやって幸せに付き合うのかを伝えたいと思い、『Happy Money』というタイトルにたどり着きました。

本田さんが「お金やビジネス」を現場で見て学んだこと

小林 : 健さんがお金やビジネスについて、どうやって学んできたのかというヒストリーについても、教えてください。

本田 : 学びという意味では、父が税理士で、私は6、7歳からお金について教わっていました。神戸の商店街に連れていかれて、「どれが儲かってると思うか」と言われて、私は魚屋さんに人がいっぱいいて、お金が飛び交ってるから、「お魚屋さんが儲かってる」と言ったら、「あの人はそんなに儲かっていない。

隣の布団屋さんは、お客さんがそんなにいないけど、1個が売れたら大きい。その隣の不動産屋さんは、人がいないけど、1軒売れたら、お客さんは1人でいい。布団屋さんは、1週間に1人でいい。魚屋さんは人がいっぱいいるけど、仕入れも大変だから、お金になっているようでなっていない」と、そういうことを教わりました。

小林 : 小さい頃から、ビジネスを現場で見てきたんですね。

本田 : 仕事には、労働というのと、知的労働というのがあって、例えばタクシーの運転手さんというのは、2年目に収入が増えるかといったらそうでもない。都市へ行くと今度資力が下がったりするから、結局経験があると同時に下がっていく収入と、経験と同時に上がっていく収入がある。今回のテーマのように、どうやって身につけて勉強することでお金になるのかということを、15歳頃から真剣に考え出したというのが私の人生です。

Happy Moneyを継続的に得るために必要な仕組み

小林 : どうやったら自分の年数に応じて収入が増えていくのかというところ。そしてこちらにも書かれているように、Happy MoneyとUnhappy Money、幸せなお金と不幸せなお金がある。お金の量を稼ぐということと、お金の質、ハッピーなのか不幸なのか。ここで悩まれている経営者、起業家の方が多いと思いますので、その辺りもぜひ。

本田 : Happy Moneyというのは、入ってきたときに気持ちがいいお金、使うときに気持ちがいいお金です。Unhappy Moneyというのは、「このお金、なんか嫌な感じがするな」というお金です。起業家は最初は売上をあげる必要があるので、結構Unhappy Moneyもつかんでしまいます。本当はお客さんにすべきでない人も、お客さんにしてしまってクレームになったり、「この人はあまりしっくりこないな」といったようなクレームまではいかなくても、あまり心が添わないままで終わったり、それはUnhappy Moneyです。

私の体験からいうと、最初につかんだ1億というのは、無理して売ったり、頑張って売ったりしているので、結構Unhappy Moneyが多いです。私が昔クライアントによく言っていたのは、「最初に稼いだ1億は大体消えてしまいます。それは授業料ですよ」と。私のお金に関する学習法は、最初の1億は授業料だと思ってください。それは騙されたり、従業員教育に失敗したり、システム構築しようと思ってうまくいかなかったり。なので最初の1億は、お金持ちへの会員権の値段だと思ってください、というのが今日私が一番伝えたいことです。

小林 : 興味津々です。僕も、これを聞いている方も、なんとか頑張って1億や数千万を稼ぐところまできたと思うんですけど、このやり方をもう一度やりたくないという気持も、同時にあると思います。

本田 : それは頑張って達成したからでしょう。最初の1億円がなくなった後に、また同じことやるのか、あるいは全く違うエンジンで動くのかというのを考えないと、「気が付いたら、すごくたくさんお金がある」というふうにはなりません。本でいうと、10万部、20万部は頑張ればなんとかなるんですが、ミリオンセラーにいく人は少ないし、100万部いっても、200、300、400と続けられる人はもっと少なくなります。それは仕組みがないからです。あとは、お客さんが気持ちよく継続していくためには、Happy Moneyの流れがないと、「騙された」とか「ちょっと高かったな」という不満があるお客さんがいっぱいいると、それはなかなか継続しません。

「時間の自由」を生み出すために大切な、自分の器を見極める力

小林 : お金の量、幸せ感、もう一つ時間というのも、1億とか稼ぎ出すと忙しくなってしまって、ビジネスの中に取り込まれてしまう社長さんもいらっしゃると思いますが、健さんの場合は日本でも成功して、今はいろんな国に行かれて時間的な自由もある。時間の自由と、経済の自由、それをどうつくり出すのかというのも、ぜひ伺いたいです。

本田 : 日本で一番有名な個人投資家の竹田和平さんが面白いことを言っています。事業家や起業家は、会社をつくった瞬間に、社長室に売上というものを食いものにするモンスターを飼うことになると。朝、社長室に行ったら、「売上をくれ」。100万売り上げたら、「もっとくれ」。500万上げたら、「もっとくれ」とどんどん大きくなる。1億上げたら、今度は「工場、建ててくれ」「従業員ももっと増やしてくれ」、どんどん肥大化していきます。気が付いたら、従業員が30人いる今よりも、2、3人でやっていたときのほうが、金回りがよかったということになりかねません。

なので、まず自分の器がどれだけの大きさなのか。ひょっとしたら、何十人も従業員を持つよりも、意外と4、5人のほうが、小回りもきくし、あまりストレスもなかったりします。特に自分が野心的な人というのは、気を付けておかないと、自分の器が10人のキャパしかないのに、100人を抱えようとしていると、器がパキッと割れる。時間もそうです。自分の器を見極めるのも、大事なことだと思います。

幸せな経済自由人になるために重要なポイント

小林 : 健さんが提唱されている、幸せな経済自由人とか、幸せな小金持ち。社員数や規模を増やして大金持ちになることの弊害もあるという中で、割とお金や時間や幸せの自由がある小金持ち的な生き方を提案されていますよね。僕たちのコミュニティーも、1人社長でチームを組んで、収益性が高くて、「南米に行こう」と言えば行けるような、そういうことを目指していますが、どうすれば、起業家のスタートを切った人たちが、経済自由人になっていけるのか、その辺りを教えてください。

本田 : シンプルに言うと、一定数のお客さんが、ある程度のお金を払っても、何回も買いたいと思える商品やサービスをつくることです。それは健康食品かもしれないし、教材かもしれませんが、いずれも永続するサービスを構築することがポイントです。

私は例えば、17のことシリーズでは『20代にしておきたい17のこと』、『30代にしておきたい17のこと』というように、年代ごとに段階を踏んで書籍の展開をしてきました。10代のときに本田健というのを知って、「本田健さんなら、どうやって人生を考えるのかな」というのを、19歳の子が何年かたったら20代になるわけです。全ての年代で、「本田健だったら、どう考えるだろう」というのを提供しています。だから今、10代から70代までのお客さんがいるのは、それだけたくさんの世代に役に立つものを提供しているからです。一定数の人数の人たちに提供できるものがあれば、強いですよね。

「口コミ」を生む、個人の人生ストーリーとは

小林 : 健さんがコンサルティング会社を経営しているときに、口コミマーケティングの専門家でしたが、お客さんがずっとリピートしてくれるというのがポイントだと思いますが、どうすれば口コミは生まれるのですか。

本田 : “口こまれ指数”という言葉を使っているんですが、その人が“何人の人に口こまれるか”ということを重視しています。私の場合、毎日本が500~3000冊売れています。そうすると、推定1000~1万人の人が、「本田健ってね」「Happy Moneyってね」という話をしてくれていると思います。毎日1万人の人が話をしてくれて、一定数の人たちは本を買ってくださると思います。例えば、「小林正弥」というブランドがあって、新しい学習法をやるとします。

「小林正弥さんが、学習法の本、出したんだって」「すごい、それを見たい」という人が、1人なのか、10人なのか、10万人なのかで、部数が決まるわけですね。そうすると、「小林正弥さんって誰?」「何を言ってる人なの?」ということに、面白さやストーリーがあると、ついつい言いたくなる。自分の人生の中から、何個のストーリーを出せるのかということです。これからの時代は、ストーリーテラーの才能がすごく大事だと思います。自分の人生の中からストーリーをつくるということです。「小林正弥さんって、こういう人なの」「へえ、面白いね」といって、別れた後にGoogleで調べたくなるような人物になっているかどうかです。

口コミを拡散できる「人が面白いと思える人生ストーリー」

小林 : どのようにすれば人が口コミしたくなるようなストーリーを、自分の人生からつむぎ出せますか。

本田 : 普段から面白い人生、ワクワクした人生を生きている人は、それに興味を持つ人たちが絶対いるので、普段から話が面白いような人生を生きていないと難しいでしょう。例えば友達と話をして、「おまえ、すごい面白いな」と言われるような人でないと、やっぱり難しいですよね。

小林 : 経済自由人になっていくためには、そもそもリピートされるビジネスということと、そのリピートしているお客さんが、喜んで人に口コミをするようなビジネスになるといいということですね。

本田 : そのためにはある程度の実績を出す必要があるし、お店だったら、「来てよかった」「おいしかった」「楽しかった」。塾だったら、「行ってすごく成績があがった」。コンサルティングだったら、「小林正弥さんと出会って、いろいろ勉強して売上が3倍になった」。そうなると、「あいつ、最近成功してるらしいな」「実は、小林正弥さんってすごい人がいるんだよ。絶対、本読んだほうがいいよ」と言ってくれる人たちばかりだったら、すごいですよね。それをどうやって意図的につくり出すかということを、今、私は世界規模の実験をしています。

一言で言うと、自分の中で面白いストーリーを、10個ぐらい英語で準備しています。父親との話、奥さんとの話、クライアントの話などいろいろあります。今、プレスキットとして、いろいろなメディアの人たちがダウンロードできるようになっています。有名な人ではなくても、自分の面白い話がわかるような、プレスキットみたいなものがあってもいいかもしれません。例えば「小林正弥のすべて。なぜ彼はこうだったのか、ああだったのか」といっぱい面白い話があれば、ついついはまっていくものです。「絶対、この人に会いたい」となります。そういうものができれば最高です。

小林 : 意図的にストーリーキットを用意する、早速やってみようと思います。

本田 : それを上手に引き出してもらうことも大事です。私は『本田健の人生相談 ~Dear Ken~』という番組をやっていますが、あれは月に50万人ぐらいの人たちが聞いていますが、その人たちが番組のリンクを友人に送ってくれたりして、またその人数が増えています。あれはまさしく、“口こまれている”ということです。例えば聞いた話を、翌日シェアする人たちがいます。朝礼で使う人もいます。「小林正弥さんが言ってたんだけど…」と朝礼で使えるような話をするのも、一つですよね。

「決めた未来しか実現しない」の著者が語る未来の影響力

小林 : あと三つ、聞きたいことがあります。僕の一番好きな健さんの本の一つに、『決めた未来しか実現しない』というのがあります。過去の自分の人生からのストーリーを紡いでいくというお話もありましたが、健さんの願望達成法は、未来からストーリーをつくっていくというのもあると思いますが、そこに関して教えてください。

本田 : ややスピリチュアルの話になりますが、バシャールをチャネリングするダリル・アンカという人が語ったところから、私が実験し始めたことなのですが、現在というものがあったとしたら、過去と未来は同時に動いているのではないかと思います。でも私たちの感覚では、過去起きたこと、子ども時代こうだった、自分はサラリーマンだ、だからたいしたことができないというふうに、過去から現在を規定されています。大学時代にたいした成績ではなかったから、今もうだつのあがらないサラリーマンだ。昔、モテなかったから、今もモテてない。

でも考えてみたら、今もてなくても、未来にもてないかどうか関係ないですよね。あるいは今成功してなくても、未来は成功するかもしれない。そう考えたときに、現在から過去に、現在から未来につながっているとしたら、どちらに影響されるのかということです。
多くの人たちは、過去から結構影響されている割には、未来から影響されていません。でも考えてみると変な話で、なぜ過去ばかりに影響されるのかということです。これからヒントを得まして、生き方として未来から影響することもあるのではないかというのが、私の仮説です。これから皆さんがこういうものをご覧になったり、小林正弥さんのプログラムに入って勉強されたりして、確実に自分の人生を最高のほうにもっていく未来もあるわけです。

でもせっかくプログラムをやっても、あまり行動しなければ何も起きないわけですから、せっかくプログラムをやってもたいしたことがない、でもプログラムをやらなければ全然つまらない人生になったということから考えたときに、自分が1年とか3年、とことん継続してやってはじめてうまくいくという未来があったとしたら、そのすごい未来の自分がエネルギーをもらえばいいわけです。これが、自分の最高の未来からエネルギーをもらうということです。メンターに引っ張りあげてもらえるように、最高の未来の自分から引っ張りあげてもらえばいいわけです。

例えば私の場合ですと、世界的に本を出して成功した作家である2022年の本田健から、今エネルギーをもらって頑張っているわけです。インタビューをして「またはずしたな」とがっかりすることばかりですが、下手くそなインタビューでもいいじゃないか。2022年にはベストセラーになっているんだから、その頃には下手くそなインタビューやったかどうかなんて忘れてるよ、というのを励ましてもらってるわけです。どちらの未来、どちらの過去に、自分を引っ張ってもらうのかという感性は、すごく大事だと思います。

小林 : セルフメンターみたいな自分を、もう一人の自分として持っているということですね。

本田 : その自分がどういうアドバイスをくれるのかということです。それは、今の小さな箱からは想像できない自分を想像し続けることが大切です。そして成功するためには好奇心と想像力がすごく大事なツールだと思います。そのために勉強が必要なんです。

世界で活躍する本田さんが語る、人脈術と勉強法

小林 : 二つ目に、人脈術と勉強法、キャリアアップについて伺います。世界の大ベストセラーのジャック・キャンフィールドさんの累計の部数は、どれぐらいですか。

本田 : 3~4億部といわれてます。

小林 : 世界のトップの作家ジャック・キャンフィールドさんや、ジョン・グレイさんたちが、健さんの本を推薦したり、世界的なベストセラーへの展開マーケティングを応援してくれていますが、健さんもそういった人たちから学ばれていると思いますが、どうすれば、自分よりもはるかに高いところにいる人たちとつながって、引っ張り上げてもらえるのかについても、ぜひ教えてください。

本田 : これは人脈術として、いずれ本にまとめようと思っています。日本でどれだけ作家として活躍しても、いきなり世界に行けるわけではありません。やっぱり世界に行ってる人たちと親しくならないと難しいわけです。アメリカのニューヨークの出版社は、紹介でしか人に会ってくれません。ということは、ベストセラー作家の人たちと知り合いでないと作家になれない。

そういう人たちがどこで遊んでいるのか、どうやってつるんでいるのか、どういう人たちを仲間にしているのか。私はうまくその人たちのサークルや内輪の中に入ったので、あとは入れ食い状態です。友達の友達は、みんな友達なので、VIP1人とつながったら、その周りのVIPの人たちともつながることもできます。ジョー・ヴィターレさんなどとも家族ぐるみの付き合いができるようになったのも、これが理由です。

コミュニティーを広げるために意識してはいけない事

小林 : ビジネスのコミュニティーは、「○○の社長です」と名刺交換して、ビジネスの人格でしか接点が持てないというところもあると思いますが、健さんはプライベートでも人と仲良くなったりしますよね。なぜそうやって人と親しくなったり、幸せを共有できるんですか。

本田 : まず、上下関係で人間関係を見過ぎると駄目です。トップの人たちというのは、逆に上下関係で見ていないので、その人が有力者だから取り入ろうとするとすぐに分かります。あくまでも友人のような形で付き合わないと駄目です。でも問題は、そんなすごい人たちの前で、自分が友人のように振る舞えるかということですよね。

この間、ある財界のパーティーに行ったときに、HISの澤田さんと、コシノ・ジュンコさんと、ドトールの鳥羽さんと、北原照久さんとか、ごい人たちが4、5人で話していましたが、そこに「わー、入れない」と思うじゃないですか。そこに、10年来の友達のように、「ああ、こんにちは」とスッとは入れるかどうかです。そのときに「自分なんかおよびじゃない」「どうせつまらないやつだ」「なんだこいつと思われるんじゃないか」と思うのか、スッと入って「こんにちは」といい感じで話をすると、溶け込んだりできます。そういう人たちとスッと近くなるというのは、IQのようなもので、練習が必要です。

ビジネスオーナーや投資家としての独自の勉強方法とは

小林 : 健さんは勉強法についての本はまだ出されていないので、ここで独自の勉強法について、ちょっとお話いただけますか。

本田 : 私は結構勉強おたくで、速読も全ての本をかじっていますし、あと英語と中国語と韓国語を勉強していたり、プレゼンについて学んだり、学びに関してはおたくのように好きなんです。ただ私の中に冷静な自分がいて、役に立つ学びと、役に立たない学びがあります。関西人ですから、お金になる学びと、お金にならない学びもあります。

例えば社長さんであれば、いまさら簿記をやっても駄目です。それは税理士の人に任せればいい。法律のことも知らなくてもいい。最低限知っておかなくてはいけないことはありますが、そういうことは弁護士の人に聞けば、5000円、1万円で答えてくれるので、そんなに難しいことではありません。自分が何を学ばなくてはいけなくて、何を学ばなくていいのかを知るのが、最初の入り口のところです。それをよく知っている人から学ぶということが、すごく大事です。

これをご覧になっている方は、小林正弥さんから学んでいると思いますが、それは彼がたくさんのお金をかけていろいろ失敗して学んだことのエッセンスを、すごく上手にまとめたものを短期間で習得できるから学んでいるわけです。これはビジネスを立ち上げる方法や人間関係、時間の使い方に関しても同じです。いろいろな人たちのエッセンスを学ぶ。それは10万、100万するかもしれませんが、それは必ず回収できると思います。

私にとって勉強というのは、投資です。私はベストセラー作家になることに1億円かけましたが、1億円かけてベストセラー作家になる方法を学びました。そしてそれは、印税だけで10億以上稼いだので、10倍以上のリターンを生んだということです。ビジネスコンテンツをどうするのか、世界的なビジネスをどうするのかということについては、いろいろな専門家を雇う。これも勉強法です。

皆さんは本に付箋を付けたりすることを勉強法だと思っていますが、私にとってはそうではなくて、実際にニューヨークの弁護士にいろいろ発注したり、アメリカのマーケティングチームに1回300万かけてリサーチを発注したり、私にとってはこれが勉強なんです。私の勉強法は、人に何を勉強させるのかを考えることです。もっと言うと、人にどういうことを勉強させるのかを考える人を雇って、その人に考えさせるのが、私の勉強法です。

昔の受験では考えられなかったことが、お金と知識でいろいろできるわけです。だから私は、世界の本をどうやって売るのかということに関する、いろいろな頭脳を借りてやっています。私が実際に蛍光ペンで線を引いたりすることはありませんが、ある意味で脳は連携しています。勉強法というのは、もう少しカメラを引いてみると、全然違うものが見えるかもしれません。

小林 : 労働者的勉強法と、ビジネスオーナー的投資家的勉強法は、全然視点が違いますね。

本田 : 私の場合は、ビジネスオーナーと投資家としての勉強法だから、多分皆さんが考えている勉強法の体系とは全然違うと思います。小林正弥さんがやっていることは、まさしくそうだと思いますが、パーティーに出たり、一緒に旅行に行ったり、仲間で月に1回集まったりしていますよね、あれが勉強です。セミナールームで何かする、教材が何か送られてくる、それも勉強だけど、それは5パーセントか10パーセントで、本当の勉強というのは、実際に行動をしていくということです。オンラインで勉強されているのもいいですが、実際に人に会うことはすごく大事なことだと思います。

これから教育や出版を考えている方へのアドバイス

小林 : 三つ目の質問です。健さんは、エンターテインメントというか、楽しくお金やビジネスのことを学ぶということをされていますが、例えば新しい商品、サービスを売るに前に、それがどういうふうにお客さんに価値があるのか、その人の幸せや成功に役立つかというのは、ある意味顧客教育をしてからでないと、ものも売れないですし、新規マーケティングにも教育は必要だし、お客さんが喜んでリピートしてくれるためにも、喜んで使いこなしてもらうためにも教育が必要です。

今、人手不足の中で、採用にお金をかけて、教育にもお金をかけて人を集めていたのが、デザインスクールをやって、そこから優秀な人やビジネスパートナーを集めたりというように、採用も教育化していると思います。けれども、社長さんというのは、人に教えるとか、楽しく学ぶということをやったことがなくて、今一緒に勉強していますが、これから教育や出版をしたいという社長さんに、何かアドバイスをいただけますか。

本田 : 出版は素晴らしいことだと思いますが、すごくエネルギーを取られます。基本的には、出版運が上がると実業運が減ります。私の知り合いで、お花屋さんで本を出しました。そしたら講演の依頼が殺到して、講演を受けていると結構な金額がもらえるわけです。そうすると本業で一つ売って100円ということが、ばかばかしくなってしまった。

本業に力が入らなくなって、講演一本で生きようとしたんですが、花屋さんで成功したからその本を買ってくれたわけで、講演だけになると呼ばれなくなりました。それでまた元に戻ったという人がいました。ということは、本を下手に出して、偉くなったと錯覚すると、本業の運が落ちます。あくまで、本は本業を大きく促進させるためという位置づけにしておかないと、「先生、先生」と言われてしまうとおかしくなってしまう人がいます。「なぜその本を出版するのか」ということを予め考えておく必要があるでしょう。

小林 : 最初社長になると、金融機関の人に「社長」と呼ばれて、「俺、社長なんだ」と気持ちが上がったり、さらに本を出すと、出版関係の人に「先生」と呼ばれる。「社長」と呼ばれ慣れてる人でも、「先生」というのは、また別の角度からエゴが入っちゃうのかなと思います。

本田 : だからよほど、自分の中にある「特別になりたい」「かっこよくなりたい」というのを、ちゃんとクリアにしておかないと、中途半端な本を出したら、いろいろなものがガタガタになる可能性があります。本業の筋をずらさないとか、そういうことができた上でないと、あまりおすすめはできません。

小林 : 本業の力を抜かずにやっていくと言うことですね。

本田 : 「こっちのほうが、手っ取り早く儲かりそうだ」という理由でやると、たいてい失敗します。

幸せで豊かなサイクルがつくる「Happy Money」

小林 : これから世界的な活動をされていくと思いますが、健さんのビジョンについて、お話ください。

本田 : 『Happy Money』というのは、人生で流れるお金に感謝する。お金が入ってきたときに、ありがとう。お金が出ていくときに、ありがとう。その気持ちが、幸せで豊かなサイクルをつくるということを、竹田和平さんに教わりました。

皆さんがこれからお金をいただくときに、ありがとう。お金を使うときにもありがとう、ということをやっていただくと、お客さんも、皆さんのお金を流す相手も幸せになるということで、皆さんの人生に流れるお金がHappy Moneyに変わると思います。お金が入ってくるときにありがとう、出ていくときにありがとうというのを、心掛けていただけたらと思います。そうすると、世界はすごくよくなると思います。

小林 : 今日は、ありがとうございました。

本田 : ありがとうございました。

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